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    終日暖気

    *大抵ネタバレしてとんちんかんな映画の感想など*

    男と女  



    『A MAN AND A WOMAN』 2016年 韓国

    見るには今の時期がぴったりな、一面雪に覆われ冷え冷えとしたヘルシンキの山奥から始まる、ある男女の物語。初見。

    中盤近くまで、常に受動的流動的で曖昧であると同時にけっこう身勝手(しつこいし!!)な男にイライラしていたのだが、なんでも曖昧な物言いをするようになったのも、もしかすると何かを言うたびに過敏に反応し激情する精神的に脆いところのある奥さんと長いこと居たせいかもしれない・・・と多少なりとも肩をもってやりたくなってきた。ま、気が弱いのを優しさでごまかしてるだけかもしれんけど。
    女がああいう行動、言動をとってしまうのも、仕方ない。

    結局、見終わる頃には、いい映画や。なんて哀しいんや。と、エンドロールを最後までしみじみと眺めてしまった。

    男と女

    ようするに、この二人の男女は真面目なのだと思う。
    そして、疲れ切っていた。
    偶然出会って、ちょっと道を外れるが、結局、互いの家庭は壊さぬように身を引く。互いに理解しているそれぞれの子供の苦しみをこれ以上増やすようなことはしたくないし、できない。(と私には見えた。監督がどう考えているかはわからない)
    海で二人のスマホが鳴り続ける(バイブ機能にしてあるのだが)のをあえて無視するシーンがあるが、あれは互いの消えない良心の呵責のようにも感じた。
    たいして悩まず、自分のことだけを考えて平気で不貞を働く人間はたくさんいる。己の欲望に忠実な被害者面の偽善者もいる。悩んだ末、子供も捨てて不義を貫く人間もいる。どんな人生も結局それぞれが自分で選んだもので、どうにもならないときはどうにもならない。

    この映画では、互いの配偶者がどうもいろいろと思うところがあったらしいこと、自分を少しずつ変えているらしいということがそれとなく察せられる描写があるのが良かった。ここらへんは希望に繋がる。
    男の奥さんの「ありがとう」は、デビッド・リーン監督の『逢引き』のヒロインの旦那さんが言う「おかえり」に近いと思った。

    男女のラブシーンはなんだかこざっぱりしてエロティックさを感じなかったが、代わりにすっぴんの女に凄まじい色気を感じた。すごい魅力だった。男は、指がきれいだったな。あと、そうそう、女のほうが少し年上の設定なのかしら?とも思った。

    「男と女」というだけあって、もちろんその行動の違い、意識の違いも面白い。さんざんしつこく追いかけておいて、自分の思う女像を女がぶち壊しにくると、思てたんと違う!みたいな顔をして、尻込みする男のずるさったら(笑)
    ラスト、動揺と未練が激しく顔に出ていたのも男のほうだった。隠しきれない感情があふれ出そうな顔だった。

    すてきな女性運転手とともに車外で煙草をふかしながら、覚悟を決める女、やせ我慢する女がひどく愛おしい。そもそも彼女は、最初から異国でも己の志向を変えない、ある種の頑固さ律義さを手放せない女だった。

    互いに満ち足りた充足感を抱くことができた静かな時間・・・。
    胸に残るその思いを人知れず深く深く埋めるのに、冬の雪の森というのは最高かもしれない。
    そんなことを考えながら、エンドロールを眺めて終わった。


    むちゃくちゃ魅力的な女優さんは、チョン・ドヨンさんという方らしい。どんどん色彩を変えていく表情のひとつひとつにすっかり魅入られてしまった。ヘルシンキでの彼女とソウルでの彼女の変化にもびっくり。
    男を演じるのは、「釜山行(新感染)」のぼんやりした顔のお父さんが良かった俳優さん。我が家ではもう常にたかおさん呼びだが。そもそもこの映画も、新感染鑑賞後、Netflixであなたへのおすすめとして出てきたから見たのだ。たかおさん、ありがとうね。


    category: 映画感想

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