終日暖気

    *大抵ネタバレしてとんちんかんな映画の感想など*

    フラッシュバック  




    『Flashbacks of a Fool』 2008年 イギリス



    初見。「007慰めの報酬」と同年のダニボン主演作品。

    あらら、劇場未公開だったのか。なぜだ。

    ボンドもやればこういうのもやるダニボンがやっぱり好きですわ。

    その演出はちょっとこっ恥ずかしいかも、という部分も少しだけありましたけど、

    ほろ苦さと温かさの塩梅がちょうどいいドラマでした。ある男の再生物語。



    ダニボン扮するジョーは、成功したイギリス出身のハリウッドスター。

    ただし、落ち目で生活もわかりやすく荒んで駄目男になっちゃって、行き詰まりぼろぼろの様子。

    心は空虚だし、年齢もたぶん四十を過ぎてガタがきていてとにかく心身共に疲れ切っているのです。

    その疲れ具合が妙に(わかるわ~…)とシンパシー感じるそれで、なんだか入り込んでしまったワ~。

    (ほんと最近疲れるし。昔の疲れと質が違うこのなんともいえなさ。いかん、運動せな!)




    見た目はボンド。



    もちろん自分でも今の生活があかんのは重々承知なので、彼を軽蔑して辞めようとする付き人に真顔で「いかないでくれ~。もっとお金出すし。やめないでくれ~」と懇願するんですけど、それは彼女が周囲で唯一真っ当な神経の持ち主だとわかっていて信頼しているから。

    ダニボンのいいところは、こういう惨めなシーンを演じてもイヤらしくならないところでしょーか。腐臭がしないというか、空気が澱まないというか、媚びとは無縁のにじみ出る可愛げが拭えないというか♪



    そんな彼が、故郷のかつての親友ブーツの死の知らせを聞いたことで過去の自分、現在の自分と対峙することになるんですけど、この70年代の美しく楽しいだけではない辛さキツさうんざり感も含めた思い出がなんとも。少年少女時代にしかありえないすぐに消えてしまうある種の清冽な空気感や、これと決めた子しか自分の世界に立ち入らせない女の子の気持ち、若さゆえにやらかしてしまう男の子の失態(キスマーク付けっぱなしでご登場にはふいちゃった。年上女のちょっとした嫉妬に気付かなかったのね)、どうにも取り返しのつかない過ち、家族や近所の人や住んでいる町に感じる気持ち、うまくいかなかった初恋…。Flashbacks of a Foolだものなァ。





    ルースを演じたフェリシティ・ジョーンズのこのシーン、良かったわ~♪



    25年後、家出するきっかけとなった悲しい出来事を含めた自分の過去を見つめ直し、家族や親友の妻と再会し、自分なりの精一杯の誠意を差出すことでもう一度生き直せそうなジョー。ん、良かった。ルースも、こんな形での思いがけない友情愛情はそりゃ嬉しかったはず。あの時の二人だけのあの瞬間をずっと憶えててくれたのね、という。もちろん金銭面のサポートだってありがたいし。

    ダニボンは、やっぱり繊細な心情表現がいつもいいです。本来そういうので魅せてくれる俳優さんだものねぇ。



    役者さん、ベテランも若者もおチビもみんな良かったです。(ロジャース夫人!!)

    ジョーの母親は、17歳の肖像やゴーストライターに出ていたオリヴィア・ウィリアムズでした。

    いつも鋭い眼光のマーク・ストロングは ダニボンに現実を突きつけるエージェントとして、ダーシーさんは 若いジョーを誘惑しまくる人妻イーブリンの旦那さんとして短い出番ながら自分的には印象ばっちりで満足でした。(あまりに子どもをあやす姿が板についてたけど、ひょっとしてお子さんいらっしゃるのかしらん。そして、子煩悩だけに罪を犯した妻を冷酷に糾弾し、決して許さないだろうと思わせる厳しい感じが何も言わなくてもぶわっと漂ってて怖くてよかった(T_T))

    そうそう、美しいエミリア・フォックスは ハリウッドの優雅な売人役でびっくり^^;


    category: lovestruck

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