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    終日暖気

    *大抵ネタバレしてとんちんかんな映画の感想など*

    ロンドン・リバー  

    LONDON RIVER

    『LONDON RIVER』 2009年 イギリス・フランス・アルジェリア

    さらにNetflixにて鑑賞。以前友人が薦めてくれた作品をやっと。

    2005年7月7日、ロンドンで同時多発テロが発生。ソマーズ夫人とオスマンは文化や宗教の垣根を超えて互いを支え合い、消息不明となった子供達を共に捜し続ける。

    という公式紹介を読んでから見始めたけれど、実際の物語はちょっと違うのだった。
    はっきり言うと、支え合いだすのは1時間を超えてから。
    それまでは、互いに・・・というより、ソマーズ夫人がムスリムの男性を嫌悪してなかなか心を開かないのだ。

    このソマーズ夫人を演じるのが芸達者なブレンダ・ブレシンなものだから、もう、その一方的な差別心丸出しの態度が憎たらしいったらない。
    早くにフォークランド紛争で夫を亡くし女手ひとつで育てた大事な娘が行方不明となり、半狂乱で必死にわが子を探す夫人にはぐいぐい心を揺さぶられるのだが、一方で彼女の失礼ぶっこきすぎの偏屈なふるまいの数々には「いい加減にせえよ!」とうんざりしてしまう。
    このアンビバレンツが、まぁ、わかりやすく現実を抽出しているといえるのだが。
    差別心は、恐怖心と無知からやってくる・・・そして悲劇は巡る・・・

    ちょっと気になったのは、この状況の場合、母親ならば人種だの宗教など一気にどうでもよくなるんじゃないのか・・・という点かしら。しかも、この母親は仏語ができるので、オスマンとはいくらでも話し合えるのだ。
    同時に、子供たちはつきあっていて同居していたらしいとすぐにわかる。
    それなのに1時間近くもオスマンを避けるのは変じゃないかしら。
    むしろ一緒に探しましょう!その方がはやい!!ってならないだろうか。
    娘を探すとなったら、なんだって利用するはずだ。娘の愛する人についてもっともっとなんでも知りたがるはずだ。
    なんでうちの子がアラビア語なんか習うのよ!なんてキレてる場合か。(さぁ、趣味の問題ちゃいます?って先生には苦笑されるのは、まぁもう可笑しくなっちゃうのだが)
    そのあたり、物語の都合上仕方ないとはいえ、おっかしいなァ・・・とずっとひっかかった。言葉も愛も趣味もすべては意味をなさなくなるってことを言いたいのか。きつい。

    それはともかく、オスマンの人物像も興味深い。
    彼は、奥さんと当時6歳の息子を置いてアフリカから単身フランスに渡り森林管理の仕事をしながら数十年、成長した息子の顔も性格も生活もなにひとつ知らないのだ。
    奥さんに頼まれてひとりロンドンで行方不明の息子を探しながら、名前しか伝えることができない。
    木の精霊のようなおじいさんのような仙人のようなか細いシルエットと、深遠さをたたえる眼差し。
    黙っているが、彼は息子がもしもテロの犯人だったら・・・という不安を抱えてもいる・・・

    バラバラにそれぞれの子どもを探すものの、行く先がしばしば被る二人の親たち。
    やがて共に行動するようなるが、ふたりが決して若くなく、むしろ老いた親であるためにこちらは余計につらい。
    現実は時に残酷だ。運が悪かったとしか言いようがない事象、これを己のなかで消化するというのは並大抵のことではない。理不尽さは容赦がない。言葉もない。

    真の幸せは人生を愛すること。
    私の国ではそう言う。悲しみのまま別れてはいけない。

    オスマンの言葉によって、二人はハグし、感謝しあい、良い旅を・・・と言ってなんとかきちんとお別れをすることはできたのだが。
    心を開いて理解しあった二人の親が、最後までエゴを貫くのは娘と息子が仲睦まじい様子でほほ笑む写真を互いに相手には秘密にして持ち帰るという行為のみ。
    悲しみは時が癒すといったって、きつい・・・。それでも、生きていかなければならない現実は重い。

    といって、見なければよかったというような作品ではない。
    言いたいことは十分にわかる作品で、見て良かったのだ。

    互いの子どもたちは、とても素敵な若者に育ったんだな・・・とわかるのは救いだ。
    からの延々終わらぬループ。(鬱)我に返ったとき、ふたたび現実はきつい。



    category: 映画感想

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