終日暖気

    *大抵ネタバレしてとんちんかんな映画の感想など*

    ユーリ  

    「春の小川」と「バルバラ異界」がとても面白かったので、久々に萩尾さん祭をしています。
    「トーマの心臓」、久しぶり~。相変わらず読み耽ってしまう。

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    見つかったら即捨てられるので漫画は(いじわるばあさんなど数冊以外)読めなかった実家で、形状のせいもあってそれと気付かれず難を逃れた(笑)唯一の2編が、小学館叢書のこれ。そしてこれこそが、自分の萩尾さん初体験。忘れもしない16の冬!!(ポーは17だったかも)

    なんだこの文学作品は~~~~!!!

    強烈な衝撃と感動は、いまもこの表紙を見るたびに蘇ります。(東さんの表紙もとても美しい)
    コマとコマのイマジネーションの紡ぎ方とか、フェリーニか!って思いながら嬉しくてゴロゴロ転がりたくなるほどだった。そして、ハッと胸をつく一種独特のリズムがある台詞。間。万感の思いが押し寄せ、何も言えず天を仰ぎたくなるラスト・・・

    学生の間夢中で追いかけた萩尾作品は、いつも私を感動させ、涙させ、どこかを抉りつつ救ってくれたっけ。
    最近の作品を読んでみても、やっぱり深く感じ入って、いまも新作を読める喜びというのを噛みしめてしまった。

    そして、幸せついでに新たな衝撃。
    自分のなかでは「チボー家の人々」「マルテの手記」と同じ思春期時代の特別扱い文学である「トーマの心臓」に続編があるって???

    で、矢も盾もたまらず注文したのが本日届いたのです。
    題して、「湖畔にて エーリク 14と半分の年の夏」。
    ぜんぜん知らなかった。
    もうねぇ、手を洗って正座して読みましたよ。どきどきしながら。(中学生か)
    これがまた、素晴らしくて。薫り高く、大事に大事に心にしまっておきたい短編小説のよう。
    みんな少し大人びて。エーリクはさらにほっそりし、オスカーとユーリは青年期に突入してた。(そんな素敵な絵なのだ)
    エーリクとシドの関係が想像通りとてもいい。シド、いい男だなァ。シドの主治医のおっさんは今回出てこなかったけれど、彼もよかったな。本編で。

    私は初読の時からユーリが好きで、だから当時、トーマとオスカーは自分の同志で、その気持ちがほとんど呼吸するようによくわかった。(つもりになってただけだったのかもだが)
    だから、読み終えてホッとしたのもつかの間、
    ユーリは神学校でトーマのために祈り、生きながら、人知れずトーマへの新たな罪悪感に苦しんでるんじゃないだろうか。
    本来、人を助けて自分が犠牲になるのを選ぶような人間だもん、絶対に苦しんでる。
    神様だけじゃダメなときあるのよ。形而上の愛と一緒に、生身の人間のぬくもりが近くにないと。ネアカな可愛らしい彼女にでもぎゅーっと抱きしめてもらいながら、明るい方向へ引っ張ってってもらえばいいんだけど神学校に入っちゃったし。
    性格上、弱音は吐かないし、自分の傷は抑えこんで隠すし、大丈夫かしらほんとに・・・ともやっとしてたのよ。(というのを、思い出した)

    そのもやもやが、今回の続編でちょっと解消されました。
    つまり、オスカーの笑顔で。卒業のずっとずっと前に、さっさとユーリにひとりで会いにいっちゃったというオスカーの笑顔がすごく良くて、これは二人はほんとに互いに親友になれたな!とわかる感じなので。(たかが漫画にと笑うなかれ。血肉になってるからすごく大事なのだ)
    オスカーは、きっと彼女ができても一番にユーリに会わせに連れて行くだろうし、結婚してからもいい神父さんになったユーリをずっと支えて大事にするだろう。そんな感じ。(そうしておくれ)

    で、同志オスカーの「訪問者」は、これまたもちろん名作なんだけれど、再読してみたら、やっぱりまだしんどかった。涙涙は変わらないけど、いまだに必ずしもいい涙ではない。私もまだまだ屈託ありすぎなんだな。(こういうときは早くおばあさんになりたいと思う)

    category: その他の感想

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