終日暖気

    *大抵ネタバレしてとんちんかんな映画の感想など*

    アリスとマルタン  



    『ALICE ET MARTIN』
    1998年 フランス
    初見。『海辺のホテルにて』、『かげろう』のテシネ監督作品。
    マチュー・アマルリックとビノシュが共演で、
    ジャン=ピエール・ロリも出てるというので借りました。

    途中から、あれ?いまひとつ私向きではないかな?と思い始めたのですけど、
    終盤にはぐっと惹きつけられ、観賞後は これは好きだ!と感じた作品。


    ビノシュは決してスレンダー美女ではないけれど、
    まさにそのそうではないという部分、その存在こそが実にこの映画にぴったりでした。
    彼女の演じるアリスは、邦題(溺れゆく女)から受けるある種のイメージとは異なる、
    非常に柔軟で何か新しい魅力という感じのする不思議なちからにあふれた人間でした。
    彼女のは、母性愛とかそういうのともまた違うと思うな。強いて言うなら人間愛、か。

    アリス以外の人間は、音楽仲間も親友も愛人(映画のなかでそういうふうに言ってたので)
    も、その血族もみなみなどこか不安定。頑迷さは子供のよう。
    現状に文句を言うか、眼をそむけるか、己の世界観から抜け出すことがないエゴイスト。
    同時にアリスに大変に依存していると思う。
    無垢なままの少年といっていい愛人マルタンの依存の仕方とは全然違う、大人の依存。

    しかし、アリスはそんな彼らの前で別に激昂するでもなくありのままを見据え、
    疲れても立ち止まることなく、煙草をふかし、ビールを飲み、
    実に率直に自分の言葉を伝え、ごく自然にすべてを受け入れているように見える。
    頑なさがないのよね。常に前を見るし、行動するし。
    彼女の根っこにあるのは素晴らしい善ではないかしら。(善意ではない)
    いずれにしても素敵な主人公。


    お目当てのマチュー・アマルリックは、
    ビノシュ演じるバイオリニストとパリで同居する、ゲイの売れない役者という役どころ。
    リチャード三世のような台詞を言うシーンが面白かったわ。(怪人てことは・・?)
    うーん、私はマチュー・アマルリックの顔が好きなのかも。
    いつ見てもすごく色っぽい眼!
    それにキレキレな危うさが重たくないのよね~。演技派演技派していなくて。
    映画のなかで使われていた実際のアマルリックの少年時代?の写真の魅力的なこと♪

    ほんの少しの出番のジャン=ピエール・ロリは、アマルリックの兄で官僚タイプの役。
    ビノシュに喧嘩を売るシーンでは、勝手にハラハラしちゃったわ(笑)
    わりとこの人の声が好きだなあ。声のせいで冷淡な感じが薄れていました。



    category: 映画感想

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