終日暖気

    *大抵ネタバレしてとんちんかんな映画の感想など*

    愛と哀しみの果て(OUT OF AFRICA)  

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    『OUT OF AFRICA』 1985年 アメリカ

    いかにも80年代な邦題におそれをなして避けているうちに、未見のまま20年以上経ってしまった作品。
    Michael Kitchen 目当てに今頃ようやく鑑賞しましたが・・・、
    公開当時、映画館で見とけばよかった。失敗したわァ(いつものこと(T_T))

    面白かったです。予想とぜんぜん違って。(てっきり、でーっとなるメロドラマだと思っていた)

    のっけ、別に愛しているわけではない爵位はあるが文無しの友人(しかも、恋人の弟だ)に
    「あたしたち結婚しない?で、一緒にアフリカへ行くの」
    なーんて持ちかける主人公カレンに、このお嬢さん大丈夫かしらね・・・とハラハラ。
    その後も、微妙な気分になる言動を繰り返す彼女に、(・・・・・・)って感じだったわけですが、
    いざアフリカに着いてからの彼女は逞しかった!

    まったく頼りにならない夫を尻目に、見知らぬ土地でがんがん現地人と交わって交渉、
    己の領地を自ら運営管理しようと奔走するパワフルお嬢ぶりを発揮。
    常に自分の意見を主張し、自ら土に触れ、人間に触れ、アフリカの大地を歩かないと気が済まない。
    銃の扱いもなんのその、ライオンだってムチ打って撃退しようと前に出て行く強気な女。
    さらに、頭のなかには、さまざまな物語があふれている。
    (その後、作家になるわけだし、畑しつつもメモ魔なところを見せるとかの描写があればいいのに、と思った)

    夫からひどい病気をうつされて落ち込むも、治療後は故国を離れ再び自分の畑、自分の土地に戻ってくる。
    肝がすわっているし、自分の土地、所有物への執着心もさることながら、それ全体への責任感、義務感が彼女を突き動かしているよう。まぁ、自分がやらなきゃ誰がやる、という追い込まれた状況もあり・・・
    たぶん、雄々しく厳しい土地が好きでもあったんだろうなァ。征服してみせるという気概もあったのか・・・

    アフリカという土地を、人間、動物、自然そのものを支配し変えようとする西洋の力。
    それに懐疑的な思想を持つひとりの男。
    彼は、己が愛したアフリカのままでなければイヤなのだ。この大地は、誰にも支配などされてはならない。
    (デニスがカレンを乗せて飛ぶ飛行機からの眺め、スクリーンで見たかった)

    結婚していながら結婚生活のなかった彼女は、読書家で冒険家(サファリガイドらしい)、自分と似た感覚を持っているデニスと互いに惹かれあう。
    残念なのは、いい関係だった二人が、彼女が離婚したとたん、それを維持するのが困難になるところ。
    でも、わかるんだけど。どちらの気持ちも。

    というか、この物語に出てくる人間たちはみんなよく似ているのよね。
    似すぎているのでどうにもならない。誰も譲歩はしない。
    異邦人として、それぞれがそれぞれの思いを込めてアフリカで生きる。
    そこが良かったなぁ。いいも悪いもない。
    みんなで助け合ってもいるけれど(それぞれいろんな種類の愛情がある)、
    やっぱりどこまでも独りなのよね。当たり前だけど。
    踏む込もうとすると壊れる。たとえ異国の地にあっても。頑固でいい。
    カレンもデニスもブロルもコールも。
    (各自に子供がいればまた状況は変化したかもしれないが)
    彼らも、アフリカの人間たちもそれぞれに馴れ合いを嫌う誇り高い種族という描き方がされていて良かった。

    アフリカを離れるときのカレンはちょっと菩薩のごとし、だ。
    ジュマの給仕用手袋を外すシーンも良かったし、
    男性専用のクラブでようやく人間として受け入れられたような申し出がなされ、
    それを受け入れてウイスキーをさっと飲み、出て行くカレンもいい。
    最初から最後まで、結局異邦人のままなところが一番いい。

    OUT OF AFRICA
    いやぁ、大画面で見たかったわ~。アホだったわ~。
    一回の鑑賞ではあれこれ勘違いしていると思うが。

    デニスのレッドフォードはちょっと年齢行き過ぎのような気もしたけれど・・・カレンのメリルに比べて。
    たぶん私はサンダンス・キッドな男を演じてるレッドフォードの方が好きなんだわ。

    お目当てのマイケル・キッチン演じるコール(バークリィ)。
    彼は穏やかで地味ながら品のいい英国人に見えるものの ブロル同様なかなか複雑な人間で、死ぬ間際に自分を心配するデニスに対し、「君はそれほど親しい友達じゃない(だからずっといい仲だった女性のことも言わなかった)」みたいなことを話すシーンがけっこう衝撃的だった。仕事仲間で親友でなんでも知ってると勝手に思っていたデニスは、そこでけっこう動揺するのよね。(で、ちょっと弱気になって、カレンのもとに走ったりする)

    原作者のIsak Dinesenことカレン・ブリクセンは、「バベットの晩餐会」の著者でもあるというからこれまた面白い。
    まずは、OUT OF AFRICAの原作を探してみなくちゃ。
    映画の邦題は、見終わってみると意外にも悪くないと思いました。

    Karen Blixen
    Baroness Karen von Blixen-Finecke, 1885年~1962年

    category: 映画感想

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