終日暖気

    *大抵ネタバレしてとんちんかんな映画の感想など*

    私が、生きる肌  




    『LA PIEL QUE HABITO』 2011年 スペイン

    初見。久々のアルモドバル監督作品。
    舞台はトレド。
    どんなお話かしら~とわくわく見始めましたけど、1時間過ぎたあたりからの急展開にはたまげました。
    さすがアルモドバル…よくもよくも。(原作があるようですが)


      あなたには、隠れ場所があります。
      あなたの心の奥に。
      誰にも踏み込まれず誰にも破壊されない場所が。
      その場所には、平和・静寂・自由があります。  



    誰もが持つ隠れ場所。
    この言葉が出てきたときから、ベラの行動はなんとなく先が読めるのですけど、彼女がどこからやってきた患者なのかわかる部分が奇天烈。

    優秀な形成外科医であるロベル。
    彼の最初の執念は愛するガルのための皮膚移植だったはずですが、それがだんだんとエスカレートして、ついにはガルの再生を試みてしまう…。娘のための復讐も利用して。

    愛する娘のためですから、自分の手技を生かして復讐するというのまではわかるんですけど(アルモドバルはよく作中で獣じみた衝動を抑えきれない者へ鉄槌を下してくれるから)、お顔を亡き妻(浮気して一度は出ていった妻である)にしてしまうところがアブノーマル。しかも、耐久性ばっちりて。
    それに、実際使えるようにあらかじめアレコレしておくのを穏やかに提案しちゃうのも狂ってる。受け入れるのも変じゃない?(T_T)しかも、ロベルはベラを愛している!

    結局、罪を犯した登場人物たちは全員自分のしたことへの報いは受けることになるけれど。
    常識やモラルを軽く飛び越えて愛する者を守ろうとする、勘の鋭い母親像は相変わらず。
    ノルマの魂が安らかであることを祈るばかり。




    奇妙な味わいのラスト(どうしようかしら…とちょっと途方に暮れる)も面白いですけど、ビセンテの母たちもやはり”ベラ”を守り抜くと思いました。(しかし、微妙な三角関係になるだろか…)

    相変わらず、色彩感覚、音楽とも素晴らしかった。まさかこんな内容とは思わず、印象深い一本となりました。
    もしも、ベラがあのとき新聞を目にしなかったら、もう少しロベルと関係は続いただろうか…。
    街へ出たことで、ベラの隠れ場所も何かに浸食されやしないだろうか。そんなことを考えてしまいます。


    category: 映画感想

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