終日暖気

    *大抵ネタバレしてとんちんかんな映画の感想など*

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    ベルサイユの子  



    『VERSAILLES』 2008年フランス

    初見。これは見ることができてよかった作品でした。
    社会問題を扱いながら、監督の考える希望がほの見えるので。

    さまざまな大人たちがみな幼子のことを心配するし、エンゾの母・ニーナの描き方。ここに個人的にぐっときました。
    ニーナ自身があげている悲鳴、彼女が必要としているもの、差し伸べられる赤の他人の手。
    そういうものの描かれ方が素晴らしいのではないかと。母を救わねば子もまた本質的に救えないという根本的な部分。

    また、ニーナがエンゾを真っ当に愛しているのがいいです。ちょっとした、手をひいてやる、優しく髪をすいてやる、そのやり方。あるいは絵本を読む声、エンゾを見る眼差し。愛情を持てなければこうはいかない。すべてに余裕がなくても、彼女はエンゾをちゃんと愛せる設定なのがとても嬉しかった。逆のパターンでおしてくる問題提起の仕方の映画は、滅入るばかりで自分は希望を持てないので。

    ニーナが、自立できる道を見つけて森に戻り、しかし彼らに会えず絶望してさてどうなった?というのはラストまで不明なため心配が募るのですけど、きちんとそのまま自活を続けて他人を多少なりとも信じられるようになり、エンゾを呼び戻せるよう頑張ったとわかり、さらにもともと愛情を注いでいたエンゾが、数年ぶりに会った母を受け入れそうなのをなんとか確認できて終わるというのも光が見えるようでホッとできるのです。

    こういう母子関係だった場合、エンゾは普通なかなかダミアンには心を開けないのでは…と思いましたけど、よく考えたら、ダミアンの行動、言動はニーナとまったく一緒といういくつかのシーンがあるので、ダミアンほどエンゾにとって心安くできる人間もいないんでした。

    ダミアンねぇ、良かったです。
    これまた、エンゾときちんと向かい合って愛情を注いであげて。そりゃ、ニーナも思わず(この人!)て思って縋って預けちゃうわよ。そんな彼を見つめるエンゾに扮する坊やの信頼しきった目が可愛すぎて泣ける…。ニーナに「道徳を信じてるのか?」と尋ねるシーン、なぜか涙が出たよ。(ニーナもダミアンも実際道徳を信じてるし)
    ギヨーム・ドパルデュー、素晴らしいな…。ほんといい表情をするのよね(T_T) ほんとに惜しい。いつの間にかお顔にいろんなものが刻まれてずいぶんと老成してるから、父役の俳優さん、最初兄の設定かと思いました。

    ダミアンはなぜ去ったのか…。仕事のせいではないと思うなあ。社会生活に戻ったエンゾを心配で見ていられなくなったのか、社会生活機構に向かない自分はエンゾのためには居ないほうがよいと考えたのか…。ふっと消えてしまうのは、ひどく寂しい気持ちになってしまうし、酷でもあるのですけど。

    彼は森に帰ったのだと思いたいし、今度また3人が出会えたらみんなが温かい気持ちで微笑みあえるはず。血も大事だけれど、人間はそれ以外の関係性も築ける、それによって己がいつでも変わっていけるはず。人間だれしも間違えるし、世の中問題が山積しているけれども、せめてそういう社会でありますように…という脚本なのかなと。





    この作品、もともとギヨーム目当てで借りました。
    ル・カレの描くいくつかのスマイリーものに登場するギラムは、どこかギヨーム・ドパルデューっぽい横顔なんじゃないか、なんて読みながら勝手なイメージが浮かんだせいです。ギラムはお父さんがフランス人と書いてあったせいかしらん。
    ギヨームは独特の色気がある素敵な役者さんでした。あらためて合掌。






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